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法と律
追加日: 2024年12月18日
発表年(月):
顛倒論 ― ①
vipallāsakathā
Phra Mahāpunnyō (訳, 編)

【概要 / 抜粋】

 「変わらないでいてほしい」「この楽しさが続いてほしい」「私のものであってほしい」「美しいままでいてほしい」と、自身の心情に引きずられたままに物事を見る傾向は誰にでもあるのですが、この様な事実、真実から乖離した認識から生じる言動や行動によって様々な苦しみがもたらされる、ということが初期仏教の経典の各所に記されています。
 この誤った見解を仏教では顛倒(vipallāsa)とよび、無常であり、苦であり、無我であり、不浄であるこの現象世界を、常であり、楽であり、我であり、浄であると誤認することと解説されています。その誤った認識のあり方を打破する行法が四念処であり、テーラワーダ仏教では修行法の基礎をなすものとして継承され、現在もその修習が行われ続けています。
 このテキストはタイ国サンガの教理教本「観の業処・vipassanākammaṭṭhāna」のP.17~P.63に編集されているvipallāsakathāの前半部分を和訳し、最後に無我に関する言辞を加えて編集したもので、順次、顛倒論 ― ②、顛倒論 ―③と、訳出を進めて行く予定。

総ページ数: 11