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法と律
追加日: 2021年7月21日
発表年(月): 2013年3月
止行者と観行者の対立
現代タイ仏教界の瞑想法をめぐって
Thaniyo Bhikkhu (著)

【概要 / 抜粋】

現代上座仏教で最もポピュラーな眠想実践法は,現象をありのままに観察 する「ウィパッサナー瞑想法」と呼ばれるものであり 「観」 (vipassanā) を重視して行ずる「観行者」 (vipassanāyānika) という行者である。一方,仏教の伝承では「観」と並んで.心を一点に集中する「止」(samatha) と呼ばれる瞑想法も存在し,「止」を重視して行ずる「止行者」 (samatha- yānika) という行者である。これら二つの瞑想法を修習するのが仏教の正 統的な立場であると考えられる。 現在,止観を指導している瞑想指導所は上座仏教の国々に増え広まった。 その中で,タイ国の瞑想指導所は全国に1151ヶ所あり、様々な瞑想法を指導 しているが、その中には主な瞑想指導寺院系がある。それは、①マハータ ーツ寺院系、②東北地方寺院系、③パクナム寺院系である。この三つの寺 院系、①は「観行者」,②と③は「止行者」の瞑想法を指導している。しか し、この「止行者」と「観行者」の聞で対立が起き,以下のように相互に批 判しあっている。

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