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法と律
追加日: 2023年3月6日
発表年(月): 2018年10月
三次元系統樹としての仏教
佐々木 閑 (著)

【概要 / 抜粋】

【この論考は「現代思想」(青土社)2018年10月臨時増刊号VOL46―16より、 著者・出版社の許可をいただいて転載したものです】
物界は生命誕生以来、長い時間をかけて分岐を繰り返し、きわめて複雑な系統樹を構成してきたが、仏教の歴史も同じような構造を持っている。生命の場合、(宇宙からの飛来説は別として)単一の原初生命から出発して、遺伝子の作用によって同一性を保持しつつも、変異と淘汰によって別種を生みながら次第に多様化し、一つの巨大な閉鎖世界を形成してきた。その全体を三次元的にモデル化するなら、過去の一起点から時間軸を上へ上へと分岐が繰り返されることで猛烈な多様化が進む、立体的系統樹となる。

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