【解説】

この世界に、ゴータマ、ブッダの出現があろうとも、なかろうとも、「自然界に定められた法則」が存在していて、それは法決定(dhammaniyāma ほうけつじょう─ 確定的なこと。疑いのないこと)とよばれ、パーリ聖典の多くの箇所に記されている。
ゴータマ、ブッダはその自然法則を発見し、真理を知り、真理を得たことを明らかに示した方であり、弟子たちに、在家者たちに、それを自ら見て知ることを促がした。すなわち、条件付けられて成立している現象世界は、無常であり苦である。
それらをふくめ、すべてのものごと(法)は無我である、と。
その内容が読誦経としてまとめられたものが、この音声ファイルに収録されている「法決定経」で、タイ国の仏教儀礼として「三相等偈」や「縁起誦文」と共に、百カ日や一周期の追善供養の際に、比丘衆によって唱えられている。