研究
追加日: 2021年7月29日
発表年(月): 2014年
発表年(月): 2014年
都市を生きる出家者たち
ミャンマー・ヤンゴンを事例として
藏本 龍介 (著)
【概要 / 抜粋】
スリランカや東南アジア大陸部に広がる上座仏教徒社会では,「近代化」と総称される社会変動が,都市部を中心に出家者の経済基盤を大きく揺るがしている。それでは出家者たちは,都市部においてどのように生活を成り立たせているのか。本稿の目的はその実態を,ミャンマー最大都市ヤンゴンを事例として明らかにすることにある。そして①布施を呼び寄せる出家者の特徴,②都市僧院の布施調達活動の実態,③都市部における在家仏教徒組織の役割を分析することによって,「都市の生き方」を浮かび上がらせる。現在,上座仏教徒社会では,急速な都市化が進展しつつある。したがってミャンマーを事例として,出家者は都市をいかに生きうるかという問題を解明することは,現代社会における出家者の行方のみならず,先行研究によって出家者がその存立を支えていると分析されてきた上座仏教徒社会そのものの行方を占う上でも,重要なケーススタディーとなりうるだろう。
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