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法と律
追加日: 2025年2月18日
記録年(月):
常習観察
Abhiṇhapaccavekkhaṇa

【解説】

 タイ国の僧院で唱えられる朝と夕方の経は、地域や宗派による多少の違いはあるが、全体的に見ればその内容はほぼ統一されている。誦経の中心テーマとしては三宝(仏、法、僧)に対する恭敬と、帰依の表明ということがあり、続いて、苦(dukkha)への深い認識に導く語句が示されている。特に五蘊といわれる人間の心身環境の無常性と無我性についての洞察が記されていることで、初期仏教からの伝承にもとづく仏道修行への導きとなっている。
 音声ファイルとしてここに編集された経文は、パーリ増支部経典/蓋品にある教説を省略し、文節ごとにタイ語訳を付加して誦経文に作り直したもので、「常習観察」と名づけられている。老い、病い、死、離別という私たちの人生にあって体験する避けることのできない事象への観察を日常的に行い、業(行為)への気づきに接続させようとするこの経文は、修行実践を重んじる僧院で唱えられることが多い。
 タイ人比丘による誦経の音声と、訳文に加え二種の解説文を引用してPDFに編集したものである。

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